さいごの新生児期

娘を授ってまもなく4週間、新生児期も終わろうとしている。これから乳児期に入る娘・・ますます「生」を帯び、どんどん自由になっていく様。そんな娘からは少し置いてきぼりをくらっている私のキモチ・・。終わってしまう新生児期がなごりおしくて、いとおしくて。。

2年前、長男を22時間かかってやっとの思いで出産した後に一息つく暇もなく押し寄せてきた初めての育児。完全にテンパっていた。あんなに怒涛の毎日を送ったのは人生初と言っても過言ではないと思う。そんな日々の中で、息子の新生児期はあっという間に過ぎ去ってしまった。後日母子で参加する赤ちゃん教室か何かで一緒になった、まだまだふにゃふにゃの1ヶ月過ぎたばかりくらいの赤ちゃんを連れているママとやりとりした際に、あぁ・・息子はもうとっくにあの新生児時期を過ぎてしまったんだなって、1番近くでみていたはずなのになって、なんだか残念な、できるのならば時間を巻き戻してもう一度味わいたい様な、そんな気持ちになったのをよく覚えている。

どうして新生児期がこんなにも特別なんだろう…

私にとってはこういう理由。

確かに私から産まれてきたのだけれど、どこか別の世界からやってきたかの様な別の生き物感を放っている…なにか特別なエネルギーをまとって。。特にあの肩背中周りの感じは…これだなぁやっぱり、新生児。と、ぐっときてしまうものがある。勇ましささえ感じるあの長い柔らかな毛で深々と覆われている動物感あふれる肩背中周り。そしてなんといってもM字に開脚することでまるまってしまうひざから下、足までのすがた格好がなんとも可愛らしくて。歯のない歯茎も可愛らしい。白い歯が点の様に頭を覗かせると、なんだか少し残念な気持ちさえしてくるほど、泣いた時に見せる歯茎むき出しのお口はなんともいえない笑。手のひらにはまってしまうほどのあたま・・なんて小さいんだろう。当たり前のことなのだろうけれど、みんな誰しも元はこんなにも小さかったんだ。小さくて柔らかくてまるまっていて。。

赤ちゃん特有の愛らしい寝顔をみていると、新生児期からの子育てを再びできることの喜びで満たされるのです。

育児本の著者である三砂ちづるさんの文章にこんなことが書かれている。読んでいて思わず止まり写真を撮ったページ。。

「いまあなたのひざにいるお子さんのなんといとおしいことか。母として、いちばん良い時期。いちばん印象に残る時期。あなたの子どもはいつもその大きさで、あなたの夢の中で位置をしめ続ける。あなたが人生でつらいことがあったとき、あなたの子どもたちは、そのような大きさであなたの夢にあらわれる。それが現実と交錯するいまこそが、あなたの幸いでなくてなんであろうか。涙ぐむようにして、幼い子どもをかきいだく喜びにひたってほしい。それはひとときの至福であり、長き人生のうちで一瞬にして失われる、人生の最も美しい時期だからである」

この文章は2、3歳くらいの子どもの事を書いているのだろうけれど・・

私の中での位置をしめ続けるであろう新生児期の記憶。涙ぐむようにして今、喜びにひたっているのです。

(現在産後5ヶ月)

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