しがみつかれることのあったかさ

5月産まれの息子は早くも月齢7ヵ月を迎えた。ホントに「早くも」である。過ぎ去ってしまえば、あのどうしようもないくらい振り乱して新生児のお世話に追われていた日々や心身共に閾値をこえてしまう様な時期は、あっという間だったのだなぁと。けれどその時々をおもいっきり踏みしめて味わって過ごした日々だったから・・懐かしく思い返すというよりは、たしかな足跡として振り返ればすぐ後ろに色濃くまだ残っている・・そんな感じがする。

6ヵ月を過ぎたころから「しがみつく」ことをよくするようになった息子。抱っこしている大人の肩・腕にしがみつく、床に腹ばいになっているとき近くに居る大人の足首の辺りにしがみつく。最近のしがみつく行為は今までにもあったいわゆる反射としてのそれではなくて、甘えているしがみつく行為なのだなとぁと感じている。しがみついて顔をうずめて、左右に顔を振りながらすりすり。とっても愛らしい仕草に思わず気持ちがふわっと緩む。しがみついた大人の顔を見上げたりもしてくる。ちゃんと僕をみてくれているかなぁ・・ってことなんだろうなぁと思う。

人が人を想うとき、やはりすりすりしたい思い、甘えたい思いがどこからともなく湧いてくるのだけれど・・・赤ちゃんの側でずっと過ごしていると、甘えることのその原点を目撃しているような、そんな風に思う瞬間が度々ある。それと同時に、「愛らしいと思うこと」ってシンプルにこういうことかなと、私なりにではあるけれどストンと落とし込めて感じることができた気がしている。

甘えるってことばで書いてしまうとなんだか平坦だけれど、自分をゆだねて体温や心音を体で感じながら、胎内にいた時のような温もりに包まれて安心したいとか、愛着や親愛を伝えたいとか・・赤ちゃんはとってもシンプルに全身で表現してくれるから、「そういうことだよなぁ」って、妙にそのあり方が羨ましくなるというか、ハッと気づかされるというか・・そんな立ち止る時間をわたしにくれたりする。

わたしたち大人の複雑な感情だってきっと、一枚一枚丁寧にはがしていくことができるのならば、その一番奥にはそっと・・・やわらかい花びらのような、赤ちゃんが表現するような、そんなシンプルな想いがあるのだろうなぁと、いまはそんな風に思う。

しがみつかれた時にふわっと緩むその感じは、なんともいえないあったかさそのもの。一瞬で満たされてしまう。赤ちゃん時代の記憶は本人には残らないのだろうけど、自分に残す時間ではなく、周りにたくさん言葉にならないあったかさを残してくれる。。わたしにもそんな時期が本当にあったんだろうか・・笑。

 

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